私が中学生の頃から、かれこれ20年近くファンをしているバンド、アジカンことASIAN KUNG-FU GENERATIONのライブに行きました。
題名にサブタイトル的なものを思わずつけてしまうくらい、とても良いライブでした。
2008年に発売されたサーフブンガクカマクラという、鎌倉の江ノ電をモチーフに作られた、アジカンの作品の中でも最も聴いたであろうアルバム一つの完全版が今年リリースされ、追憶体験でもあり、それでもって本質は変わらないのに年々深みが増す、今のアジカンの音が感じられる、そんなアルバムを引っ提げたツアーのライブ。
好きなバンドは数あれど、アジカンは自分の中では特別枠。人生初めて行ったメジャーバンドのライブも高校3年生の夏、今回と同じZEPP NAGOYAで見たNANO-MUGEN FES 2009前夜祭のアジカンだった。
大学生の時はライブとフェスで、社会人になってからはなかなかフェスからは足が遠のいてライブだけだけど、去年つわり真っ只中の妊娠中にも行ったくらい愛してやまないバンドです。
以下、ライブレポでもなんでもないただの感想文です。
厳密には10月の半ばに産後初ライブだったのですが、当日にボーカルのゴッチ氏がまさかの体調不良で声が出なくなり急遽中止になってしまって、その夜の続き、振替公演が今日だったというもの。
中止になったライブも、対バンのGOING UNDER GROUNDを数年ぶりに聴けたし、アジカンの4人もその時できる曲(懐かしの曲やレア曲もあり)やってくれたりして、個人的には大満足だったんだけどね。やっぱり今日その続きが見れて本当に良かったです。メンバー(特にゴッチ氏)の晴れやかな表情も見れて安心したしね。
実は今朝起きた時、今度は私が体調不良で、謎の鼻水、頭痛で一瞬微熱にもなって行けないかと思ったけど、気合いで夕方までに全ての症状を鎮めて、赤子を風呂に入れてから開演直前にZEPP NAGOYAに駆け込んだ。(体調不良については、私以外は家族も元気なので恐らく原因は寒暖差アレルギー。)
「30代以降の娯楽は10代後半〜20代前半の青春時代に好きだった物事のただの焼き増しになる」と大昔に誰かから聞いた時、そんなつまらなさそうな大人にはなりたくないなって思ったけど、現実普通に生きてたらそんな大人にしかなれなかった。
でもこれでも十分だと感じる。むしろこれが良い。
というか焼き増しで楽しめるのって結構恵まれてるのではとさえ思う。
バンドのメンバーが大きな不祥事を起こしたりすることもなく、不仲で解散(一時期危なかったけど)することもなく、商業バンドとして一定ペースで作品を作り続けてツアーで名古屋に来てくれていて、
自分自身にもまだ音楽やライブを楽しめるマインドと余裕が残っていて、2〜3時間立ちっぱなしでも平気な体力もまだあって、許可してくれる家族もいて。
普通に働いていると毎日毎日仕事と家の往復で、何かやろうと思っても最低限の家事以外はやる気力が残らないし、通勤や家事の最中に好きな音楽を聴いて、年に数回、休日の夜にライブにも行くくらいが私にはちょうど良い娯楽、趣味だと思う。
焼き増しと言いつつ、毎回新鮮な気持ちで楽しめるのがライブの醍醐味だしね!
まあただ、今後この自分の生活に保育園の送迎や育児が加わるとどうなるのかなという気はするけど。
20代の頃、アジカンのライブに来ると常に私より上の世代の人達がいたし、小さなお子様連れて来てる人とかもいたけど、彼らは今もライブに来ているのかな。
意外と(失礼)きちんと新陳代謝が良いバンドなので、毎回新規参入の若いファンが入って来てるけど、体感では同世代や少し上の古参ファンも一定数どっしりと居続けているような気はしてる。ファンの層が穏やかで民度的なものが良いことも、自分が好きでい続けている理由の一つかもしれない。
今日のMCでゴッチ氏が「メンバーの誰かが死んだら、キッパリとバンドはやめるよ。1人でも欠けたらアジカンは終わり」と言ってた。
つい最近某ロックミュージシャンの訃報があったことも影響したのだろうけど、メンバーはアラフィフになってしまったし、そんなことを言い出す年齢になってしまった。
アジカンが終わるなんて想像ができない。
私が10代の時見てたかっこいいロックおにいさん達には、10年後も20年後も、変わらずかっこいいロックおじさん4人でいて欲しいと思う。
もちろん、バンドがもし終わっても、私が死ぬまで曲は聴き続けるだろうし、50年後も100年後でもディスクが残って、その時々の若者が聴いたら絶対かっこいいな、コピバンしたいなって思うはずだから、アジカンもきっとLIVE FOREVERだと思う。
そんなことを思いながら聴くアンコールのセトリの選曲の絶妙さに目頭が熱くなる。
某ミュージシャンの曲のカバーは、めちゃくちゃかっこいいのに正直泣いてしまった。
30年40年後、もしくはもっと先で良いけど、もしメンバーの誰かが亡くなったら、フェアウェルツアーのライブももちろん行きたい。このバンドは絶対最後まで見届けたい。
あと、ホログラムのケンさんも見たい。
長生きできるメリットを一つ見つけられた夜だった気がする。
振り返って「あの時は良かった、幸せだった」とか思う期間や瞬間もなく、もちろん何者にもなれず、目立ったピークもないまま緩やかに老いて下降していく自分の残りの人生に、一つ楽しみを見つけられた。
そんな素敵な夜でした。
追伸
夫の写真を見た人からよく「アジカンのゴッチ氏が好きだから、顎髭メガネの人と結婚したの?」と聞かれますが関係ないです。たまたま夫になった人が顎髭メガネだっただけです。
なお、ビジュアルで言うとケンさんの方がドンピシャで好みです。
20年経っても全然変わらないし老い耄れないし、(元)酒カスなところ含めて身近にいたら確実に人生狂わされていたと思う。
ゴッチ氏はミュージシャン、人間としてもちろん尊敬してるし大好きなのは言わずもがなですが!!!(突然のフォロー)